エーッ!子供がいるのに不妊症?
ドクター2021.6.22
子育ても一段落、さてそろそろ二人目をと思いきや、なかなかその兆しが無い…それは続発性の不妊症かもしれません。
出産するとママの体も生まれ変わる?
医学が発達した現代でも、出産は女性の体に様々な影響を与える場合があります。比較的安産であっても、いわゆる産後の肥立ちによっては子宮内に細菌が感染し、付属器周辺に炎症を起こしてしまう事があります。その後の経過によっては、まれに卵管等が癒着し、不妊症の原因を作ってしまいます。又、器質的には特に問題はみられないものの、慣れない育児への不安や授乳による睡眠不足がストレスとなり、ホルモンバランスを崩してしまうのも二人目不妊の特徴です。
ついついおっぱいを与えてしまうのも…
女性の体は、出産すると脳から分泌されるプロラクチン(乳汁分泌ホルモン)の働きによって、おっぱいが出る仕組みになっていますが、その間多少の個人差はあるものの、排卵が抑えられています。プロラクチンの分泌は赤ちゃんがおっぱいを吸う事が信号となって継続されますから、母乳による授乳が続けば、その間の無排卵も続きます。
赤ちゃんとのスキンシップの一つとして続けられる方もおられますが、適切な時期に断乳する事は、次のご妊娠を考える上でも大切な要因となります。
夜は恋人モードに切り換えて
子育てはどうしても時間に追われ、生活のリズムが子供中心になりがちです。その為、お二人目のご相談にみえる方の多くに「夫婦生活は排卵日だけ」という傾向がみられます。
確かに排卵日に合わせる事は必然ですが、たとえタイミングがあっても卵子と精子のコンディションが共に良くないと妊娠にはつながりません。例えば精子はあまり睾丸内に溜まっていると活力が減退してしまいますから、ある程度は射精による入れ替えが必要です。又、卵子も性的刺激により質が向上します。
本来生殖機能はホルモンによって活性化され、その分泌は感情によって促進します。
お一人目をご妊娠された当時を思い出して下さい。
少なくとも「排卵日だけ」ではなかった筈です。排卵日以外にも夫婦生活をもつ事は、お互いの機能の活性化につながり、より質の良い精子と卵子を造り出す事となりますから、まずは恋人同士に戻って愛情たっぷりの夫婦生活を心がけて下さい。
その上でご妊娠の兆しが無ければ、何らかの原因が隠れているかもしれませんから、専門医にご相談される事をおすすめ致します。
※Happy-Note 2006年夏号掲載