産後の抜け毛

ドクター2020.6.10

産後の抜け毛

産後の抜け毛とホルモンバランスの関係

産後に、お風呂の排水口が詰まってしまうくらい、髪の毛が抜けてしまうという悩みをママからよく耳にします。これは産後脱毛と呼ばれる現象で、多くのママに起こるのですが、個人差が大きいのも確かです。

産後脱毛の原因は妊娠出産に伴うホルモン変化が大きく関与しています。妊娠すると赤ちゃんを育てるために多くの女性ホルモンが分泌されます。実はこの女性ホルモンは髪の毛の成長に大きく関わっています。

髪の毛には、ヘアサイクルという周期があり、髪が生え始めてか ら太くてしっかりとした毛になり、ある程度したら抜けていくという 周期を繰り返しています。女性ホルモンは、このヘアサイクルの中で、髪の毛が成長する成長期を長くする働きがあります。そのため、本来抜けるはずの髪の毛が、抜けることなく成長するので、妊娠中は髪の毛が増えます。

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ただ、出産後は女性ホルモンが急激に減少するため、成長期だった髪の毛が休止期に移行してしまい、ごっそり抜けてしまいます。通常ならば半年くらいでヘアサイクルが落ち着き、抜け毛も落ち着いてくるのですが、出産後は子育てで生活習慣や食生活が大きく変わることで、サイクルがなかなか戻らず、抜け毛が続いてしまうことがあります。

出産直後の抜け毛はホルモン変化の影響なので、ある程度は仕方ないと思って、あまり悩まなくていいのですが、半年以上続くようなら生活習慣や食生活を見直しましょう。特にストレスや睡眠不足は血流を悪くしてしまい、成長期の髪に悪影響です。難しいかもしれませんが、心も体もなるべく休息を取るように、周りの人に遠慮なくサポートを頼んでみてください。また、食生活も手軽に食べられるおにぎりやパンなどの炭水化物だけでは栄養が偏ってしまいます。髪の毛の素であるタンパク質、大豆、お肉、お魚もバランスよく食べるように心がけましょう。

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この記事を書いた人
  • この記事を書いた人近藤克己 家電ジャーナリスト
  • 友利 新
    医師(内科・皮膚科)、日本内科学会会員、日本糖尿病学会会員、日本皮膚科学会会員、抗加齢学会会員。沖縄県宮古島出身。東京女子医科大学卒業。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ 転科。 現在、都内のクリニックに勤務の傍ら医師という立場から美容と健康を医療として追求し、美しく生きる為の啓蒙活動を雑誌・TVなどで展開中。新刊「やめる美容」が発売中。インスタグラムや3月に開設した公式YouTubeチャンネルで肌の悩みやスキンケア情報を配信中。