妊娠中のお薬

ドクター2020.6.19

妊娠中のお薬

妊娠中でも内服して問題ないお薬があります

妊娠期間は長く、その間に体調が悪くなることもあります。そんな時に、妊娠しているから全てのお薬は飲めないと思い我慢する方も多いと思いますが、実は妊娠中でも内服して問題ないお薬は意外とあります。その代表的な1つの例が解熱鎮痛剤です。発熱自体が赤ちゃんに悪影響を起こすことはほぼありませんが、妊婦さんの体力が低下して、その影響で感染症になってしまうリスクがあります。ですので、発熱が続くようなら産婦人科の主治医に相談して解熱鎮痛剤を処方してもらってください。

ただ、解熱鎮痛剤にも様々な種類があり、非ステロイド性抗炎症剤は胎児に影響があるため、必ずアセトアミノフェン系の解熱鎮痛剤を処方してもらいましょう。これは市販の解熱鎮痛剤でも同じです。一部の湿布薬にも非ステロイド性抗炎症剤が配合されていることがあるので注意する必要があります。

また、花粉症などのアレルギー症状が辛い場合に内服する、「アレグラ」や「アレロック」などの抗アレルギー剤も妊婦さんには問題ない薬とされています。

さらに、多くの妊婦さんが悩まされる便秘も「酸化マグネシウム」というお薬であれば内服可能です。

内服は事前に専門家に確認を

ただし、同じ症状へのお薬でも種類によっては妊娠中でも内服が可能だったり、危険があったりします。 さらに医師でも産婦人科の医師でなければお薬の処方を躊躇してしまう 先生もいらっしゃいます。気になる症状があれば、健診でどんなお薬なら今の妊娠週数でも内服が可能なのかを事前に産婦人科の先生に確認しておくといいでしょう。そして、必ずお薬を内服される場合は市販薬なら薬局の薬剤師さん、病院では産婦人科の主治医に確認してください。

正しい知識を持っていれば、お腹の中の赤ちゃんも自分の健康もしっかり守ることができます。皆さんのマタニティライフが不安のない、健康で楽しい日々でありますように、 心から願っております。

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この記事を書いた人
  • この記事を書いた人近藤克己 家電ジャーナリスト
  • 友利 新
    医師(内科・皮膚科)、日本内科学会会員、日本糖尿病学会会員、日本皮膚科学会会員、抗加齢学会会員。沖縄県宮古島出身。東京女子医科大学卒業。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ 転科。 現在、都内のクリニックに勤務の傍ら医師という立場から美容と健康を医療として追求し、美しく生きる為の啓蒙活動を雑誌・TVなどで展開中。新刊「やめる美容」が発売中。インスタグラムや3月に開設した公式YouTubeチャンネルで肌の悩みやスキンケア情報を配信中。