本物の赤ちゃんがデザインを育てる? ストッケのデザインスタジオ潜入と、驚きの「北欧パパ育休事情」

暮らし2026.7.15

本物の赤ちゃんがデザインを育てる? ストッケのデザインスタジオ潜入と、驚きの「北欧パパ育休事情」

第1部の歴史や子育て観に続き、第2部では、ストッケの「食事」と「睡眠」のカテゴリーを統括するインハウスのデザインチームにお話をうかがいました。

案内してくれたのは、リードデザイナーのマリウスさんとハンスさん。製品に隠された優しさの秘密や、これからママ・パパになる皆さんにぜひ知ってほしいノルウェーのリアルなライフスタイルを、熱く語って下さいました。

部屋のためじゃない。「子どもの身体」を中心にデザインする

「私たちは、子どもを親とまったく『対等な製品のユーザー』として捉えています。だから、私たちのデザインにはすべてに意味のある“目的(パーパス)”があるんです」(マリウスさん)

そう言って見せてくれたのが、丸い形が可愛いベビーベッド『スリーピー』。

一般的な四角いベビーベッドは、お部屋の壁や家具の配置(建築)に合わせて四角くデザインされがちです。しかし、ストッケの発想は真逆。赤ちゃんをみんなが囲めるように、赤ちゃんが家族の中心になるようにデザインされているため、あの優しい楕円形になったのだそう。

さらに驚いたのは、ベッドの内側のディテールです。 子どもが触れる内側のパーツには、すべて大きな丸み(アール)がついていて、触ってもどこにも危険な角がありません。

「外側から見て美しいことはもちろん大切ですが、一番重要なのは『子どもの最善の利益にかなっていること』。子どもの身体が触れる場所は、すべてが丸く、ソフトでなければいけないんです」(マリウスさん)

2〜3週間おきに「本物の赤ちゃん」がオフィスにやってくる!

ストッケのデザインオフィスは、大自然に囲まれた静かなオーレスンにあります。都会のノイズがないからこそ、クリエイティブな開発に深く集中できるのだそう。

そんなオフィスで行われている、とってもユニークな開発プロセスを教えてもらいました。

「私たちの製品は、デザイナーやエンジニアの頭の中だけで作られているわけではありません。実は、2〜3週間おきに、近所に住む本物の赤ちゃんとお母さんにオフィスに来てもらっているんです。 試作品に赤ちゃんを実際に乗せてみて、『このアイデアは本当に良いかな?』と検証します。赤ちゃん自身のリアルな反応や、お母さんの声が、私たちの何よりのフィードバックになるんですよ」(マリウスさん)

最新のテクノロジー(3Dモデリングなど)を駆使しながらも、最後は「本物の赤ちゃんの心地よさ」を五感で確かめて作られている。このエピソードを聞くだけで、これから我が子を乗せる家具への信頼感がぐっと高まりますよね。

電動はあえて使わない。すべては「子どもの発達」のために

世の中には、自動でスイングする電動バウンサーや、ピカピカ光るおもちゃ付きのベビー用品がたくさんあります。しかし、ストッケはあえてそうした機能を製品につけません。

「派手なLEDライトを光らせたり、自動で動く仕掛けを押し付けたりするのは、ストッケらしさではありません。たとえば最新のバウンサーを開発したとき、私たちが目指したのは『子どもが自分の身体を動かすことで、自然に揺れる』ことでした。 自発的に身体を動かす楽しさを刺激しつつ、自分の動きで心地よく落ち着く。すべては私たちのコアバリューである『子どもの発達』に基づいているんです」(イノベーション部門総括責任者・マーサ(Martha Jørgenvåg )さん)

ただ親が楽をするための道具ではなく、子どもの「やってみたい!」「できた!」という自立心を育む。それがストッケのすべての製品に通じる引き算のデザインです。

義務化されているのはパパ!? ノルウェーの驚きの育休制度

取材の後半、現地のファミリー事情に話が及ぶと、日本との文化の違いに取材班一同、驚きの声を隠せませんでした。

ノルウェーの特徴は「パパ・クオーター」と呼ばれるパパ専用の育児休暇がある事です。

夫婦で選ぶ育休の長さによって週数は少し変わりますが、目安としては、約1年コース(給与ほぼ100%)では、パパ専用の育休が約15週間。少し長めのコース(給与80%)では、パパの育休が約19週間と、パパにもまとめてお休みを取りやすい仕組みになっています。 しかもこのパパ・クオーターは、基本的にママに譲る事が出来ない、「パパだけの権利!」。

「赤ちゃんが生まれたら、パパも長く家にいる」事が当たり前になるように、国として後押ししているのがノルウェーの大きな特徴です。パパが休む事が特別なことではなく、「赤ちゃんが生まれたら、ママもパパも家にいる時間を持つ」というのが一般的な姿です。 ノルウェーの育児休暇制度は「ママだけが頑張る」のではなく「家族みんなで子育てをする」と言う前提で作られています。

この制度のおかげで、ノルウェーでは父親が仕事を休んで育児にコミットするのが当たり前。街を歩けば、たくさんのパパがベビーカーを押して歩いている姿が見られます。

さらに、驚くことに「専業主婦」という概念はほとんどなく、女性も働くのが一般的。家庭での家事や育児の分担も、わざわざ話し合う必要がないほど「最初から100%平等(イコール)」なのだそう。

ママだけが育児を抱え込まず、パパも主役として一緒に我が子の成長を楽しむ。ストッケの家具が持つ「家族のつながりを深める」というデザインは、こうした国のあたたかい背景からごく自然に生み出されたものだったのですね。

これから始まる赤ちゃんとの暮らし。ただのモノ選びではなく、子どもの最善を願うストッケの優しさを、ダイニングや寝室に迎え入れてみませんか?

 

 

【ストッケについて】

株式会社ストッケ(Stokke)は、1932年にノルウェーで設立された高級ベビー用品ブランドです。子どもと共に成長するハイチェア「トリップ トラップ」が世界的に有名で、北欧らしい優れたデザイン性と人間工学に基づいた高い機能性、安全性、そして親子の距離を近づけ愛着を育む製品づくりで高い支持を得ています。

 

ストッケ(ブランド)公式ホームページ https://stokke.com

※オンラインストアも掲載する?

公式ストッケオンラインショップ | ストッケ | Stokke® オンラインショップ