ストレスと肌の関係

ドクター2020.7.9

ストレスと肌の関係

ストレスが多いと慢性的な肌荒れの原因に

ストレスと肌荒れ。一見するとあまり関係がないように思われますが、実はとても密接な関係があります。人間はストレスを感じると交感神経が優位に働きます。交感神経とは神経を高ぶらせたり、手足など抹消血管を収縮させて、血液を心臓に集めて血圧を上げたりする働きがあります。
 
そうなると肌にある毛細血管も血流が悪くなり、肌の新陳代謝が落ちて、くすみや乾燥などの肌荒れの原因になるのです。さらに、肌の新陳代謝が低下するということは、肌の潤いの元となる成分「細胞間脂質」や「天然保湿因子(NMF)」などの生成も減少してしまいます。すると、また肌のバリア機能が低下し、乾燥やかゆみなどの原因となってしまうのです。

人間はストレスに対抗しようとして、ストレスと戦うホルモンを副腎と呼ばれる臓器から分泌するようになります。ストレスが続くとホルモンをさらに多く分泌するようになり、今度は脳から副腎に喝を入れる副腎刺激ホルモンが分泌されるのですが、この副腎刺激ホルモンが、メラニン色素を作り出す細胞、メラノサイトを刺激するので、シミが濃くなる原因に。そして肌荒れがおきると、それ自体がまたストレスとなり、さらに悪循環に陥ってしまい、慢性的な肌荒れの原因となってしまうのです。

ストレス解消法を積極的に見つけよう

育児や家事、そして仕事の人間関係など様々なストレスが多いママたちには耳が痛い話だと思いますが、美味しいものを食べたり、お友だちとおしゃべりしたりして、ストレス解消法を見つけることは肌にとって、とても大切なのです。

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またスキンケアでは、ストレスで弱くなってしまった肌のバリア機能を強化するために、保湿を入念に行い、敏感肌用の化粧品に切り替えをするのもオススメです。また最近は、ストレス肌対策のスキンケア製品も充実していますので、そういった製品をケアに取り入れるのも効果的です。さらに、スキンケアだけでなく、入浴方法を見直すのもオススメ。ぬるめのお湯に浸かることで交感神経の高ぶりが抑えられ、さらに血行も良くなるため、滞りがちな肌の代謝アップにも一役買ってくれます。リラックスできる入浴剤などを入れて一日一回は湯船に浸かる時間をお肌のためにもぜひつくるようにしてみてください。

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この記事を書いた人
  • この記事を書いた人近藤克己 家電ジャーナリスト
  • 友利 新
    医師(内科・皮膚科)、日本内科学会会員、日本糖尿病学会会員、日本皮膚科学会会員、抗加齢学会会員。沖縄県宮古島出身。東京女子医科大学卒業。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ 転科。 現在、都内のクリニックに勤務の傍ら医師という立場から美容と健康を医療として追求し、美しく生きる為の啓蒙活動を雑誌・TVなどで展開中。新刊「やめる美容」が発売中。インスタグラムや3月に開設した公式YouTubeチャンネルで肌の悩みやスキンケア情報を配信中。